症状について
適応障害とは、あるはっきりとした、仕事や家庭環境等でのストレス要因にうまく対処できず、その反応として、気分の落ち込み、不安感、情緒不安定などの抑うつ症状や不安症状また様々な身体症状が出現し、仕事や学校に行けなくなるなど、社会的機能の著しく制限された状態となることを言います。
ただし、適応障害は、あくまでも通常のストレスに対する反応の延長上にあるものであり、ストレス要因を認めてから比較的速やかに症状が出現し、また逆にストレス要因から離れると症状は比較的早期に改善するという経過をとることになります。
適応障害では、症状自体はうつ病など他の精神疾患や身体疾患とも同様な症状となることが多く、ストレス状況から離れられない場合などでは、他疾患との鑑別が難しいこともあります。
原因について
ストレス要因(環境的要因)とそれに対する本人のストレスに対する脆弱性(個人的要因)のバランスがうまくとれずに、症状が出現していると考えられます。
治療について
適応障害の治療では、上記2つの原因に沿って、対処する必要があります。ストレス要因が回避可能な状況であれば、一旦原因から離れた上で、環境調整を行うことで症状の改善が期待できます。
当然、職場環境、仕事の状況によっては、ストレス要因を完全に回避できない場面もありうるため、その場合には、個人的要因に介入し、適応力を高めるために、カウンセリングや認知行動療法等を行うこともあります。
また精神症状、身体症状などの症状が強い場合には、一時的な薬物治療を併用することもあります。